採用活動、保育園運営、転職支援に関わることなど。色々とご紹介します。

見立てる程度がちょうどいい

すぐの判断は怖い

「これまで多くの人の面接をしてきたので、
だいたい第一印象でどんな人かわかるんですよね。」

「一目見たら大体どんな人なのか分かっちゃうんですよ。」

「獲る獲らないは会った瞬間に決めてますね。」

採用に携わる現場で時々このようなセリフを耳にすることがあります。

「人を見る目は肥えています」と言わんばかりのある種私は面接のプロですというような発言。

聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

これらの発言ですが、結論から言うとあまり信用してません(最後の会った瞬間の話は分からなくもないですが)。たしかにビジネス経験や営業経験が長い方の中には少しの時間話しただけで、その人の背景や性格を大体把握してしまう方もいらっしゃると思います。

しかしこの種の発言を積極的にしている方は、組織の中でも比較的上の方が、自分より下の立場の人に向けて発言していることが多く、加えてその方の選考から進んだ応募者は辞退する確率が高かったり、入社後に早期退職されているケースも比較的よく見かけます。

個人的な意見ですが、発言に自身の強い思い込みが入っており、かつ反対意見を言える人間が少ない状況の中で発言しているために、見直す機会も出来ません。

採用というお客様窓口の役目をする人間の発言や視点としては、非常によくないサイクルを形成しているように思えます。

特に最近の若者や学生は発言だけでなく、しっかりとこちらの対応や仕草もチェックしていることが多いので、以前に比べて言動には敏感です。そして優秀であればあるほど冷静に見ており、SNSなどでの情報拡散も怖いです。

見立てるくらいでちょうどいい

そもそも面接の場は互いの価値観を確認・共有する場所になるので、会ってすぐに判断できるという発言をしてしまうことは、

「第一印象からバイアスを掛けて面接をしています」と宣言しているようなものになってしまいます。

こういったタイプは周りと上手く関係が作れないケースが多い。
前に似たような社員がいたが、すぐに辞めてしまった。
いい子だけどうちには合わないタイプだな。

第一印象の思い込みに流されてしまうことによって、貴重な部分を確認しない(発見することが出来ない)ままに面接が終わってしまう可能性もあるのです。

偉そうに書いていますが、私自身もキャリアシートや履歴書を見た段階で、「このような背景で、こんな感じの人なのかな?」と先入観を持って面接に臨むことは度々あります。そしてその中で、モヤモヤした部分を一つ一つ面接で確認していっているので、恐らく心の中で第一印象を作ってしまっていることは、先程書いた例と同じなのでしょう。

ただし私自身は一応バイアスが発生していることを意識していますので、あくまで「見立てる」という感覚を忘れないよう心がけています。当初抱いていた印象にそのまま流されてはいけないと言い聞かせています。

採用活動は営業活動でありサービス業です。「選んであげている」と思っている時点で、選んでもらえません。

最近の応募者はステレオタイプが多いと嘆く前に、こちらも同様に思われている可能性もあります。