採用活動、保育園運営、転職支援に関わることなど。色々とご紹介します。

見立てる程度がちょうどいい?

採用活動に長く携わり経験が積み重なると、自然と“感覚”が育っていきます。

例えば「こういう候補者はうちに合うタイプ」・「このタイプは優秀だけれど早期で転職する」・「この職歴や志向性なら○○業務で伸びるはず」・「あの部署では揉めそう」「このタイプは序盤戦は伸びにくいかもしれない」

面接前に目を通す履歴書やエントリーシート、職務経歴書の情報と、これまでの成功体験・失敗体験が重なり、ある程度の予測が立つようになります。

そして実際に、その見立てが当たるケースも多くあります。

しかし、その“当たる経験”こそが、時に採用の落とし穴になりうる時もあります。

経験が強くなるほど、断定も強くなる

経験は大きな武器ですが、その武器が強くなればなるほど、「こうだ」と断定する気持ちも気付かないうちに強くなってきます。

本来は仮説であるはずの見立てが、いつの間にか“結論”に変わってしまう。。。

例えば、

「このタイプは承諾率が低い」 「この大学の学生は長く続かない」「この職歴はうちで活躍した試しがない」「こういった性格は社風に合わない」

こうした判断が、知らず知らずのうちに面接の進め方やクロージングの方向性を決めてしまうことがあります。

しかし現在の採用市場は、過去の成功パターンがそのまま通用する時代ではありません。

候補者側の情報収集能力は飛躍的に向上し、売り手市場の中で複数社を比較検討することが当たり前になりました。

「給与」・「自分の時間」・「安定」・「成長機会」・「働き方」など、応募者が重視する要素も多様化してきました。

こうした環境の変化の中で、経験だけに頼った断定は、リスクを生みます。

断定が生む、内定辞退という結果

面接段階で「こういうタイプは辞退しそうだ」と決めつけてしまうと、面接官の無意識の態度や、説明時の温度感に影響が出てきます。

クロージングが弱くなる。本気度が伝わっていない。深い対話が出来ていない、、、

結果として、本当は承諾可能性のあった候補者が辞退してしまうこともあるでしょう。

逆に、「これまでの傾向からこの応募者は間違いなく承諾する」と思い込んでしまうと、内定後のフォローが不足し、他社との比較の中で不安を抱えさせてしまいます。

断定は、面接の中だけでなく、その後のプロセスにも影響してきます。

経験は「結論」ではなく「データ」

では、採用における経験は不要なのでしょうか。

そんなことはなく、これまでの経験は極めて重要で、今後も皆さんの業務を大いに助けてくれるはずです。

不要なのではなく、それを“結論”にしてはいけないということが重要です。

「以前こういう候補者がいたから、今回も同じだろう」
「こういった入社者は成長しなかった」
「トラブルになるのはこういった候補者」

選考時にそう思っていたものの、 実際に働き始めてみるとまるで違った。。。

こういったケースことを体験した方も少なくないはずです。

その時に「予想が外れた」で終わせるのではなく、「こういうケースもある」と新たなデータとして蓄積する。

経験を更新し続ける姿勢こそが、本当の意味で経験を活かすということです。

見立てる“程度”がちょうどいい

面接では、

「こうだ!」ではなく、
「こういう可能性があるかもしれない」
「前回はこうだったから今回も似ているかもな、、、」

この程度にとどめておくことが重要と考えます。

そうすることで、

・候補者との対話が深まる
・面接の中で追加質問が生まれる
・他の面接官の意見を受け入れられる
・候補者の新たな側面が見える

余白がある判断は、柔軟性を生みます。

人間は十人十色です。

同じ職歴、同じ大学、同じ経験、同じスキルだったとしても、考え方や成長スピードは個人個人でまったく異なるはずです。

だからこそ、断定ではなく見立てるくらいが丁度いいと思っています。

経験は武器ですが、長くなるほど振り回すことで、弊害を生んでしまうこともあります。

我々が大切にしている姿勢

私たちシーフォレストは、採用を「選別」とは捉えていません。

採用は対話であり、相互理解の積み重ねです。

断定してしまえば、対話は止まります。
見立てにとどめれば、先回りして会話を広げることも出来ます。

対話が続くほど、企業への理解度の向上や入社後の定着率にも繋がるはずです。

経験に頼るのではなく、経験を活かしながらもゼロベースで向き合う。

その姿勢こそが、これからの採用に求められるスタンスではないでしょうか。

見立てる程度が、ちょうどいい。

それは判断を弱くすることではありません。
可能性を閉じないための、強さなのです。