コロナによる求人への影響
2020年8月、新型コロナウィルスの緊急事態宣言が解除されてから数ヵ月が経ちましたが、失業者数も増加し有効求人倍率も低いままです。
今後はコロナウィルスによって失業した人、転職せざるを得ない人、
より多くの人が新たな職を求めて動き出すことが予想されます。
そこで本日は、コロナによる求人状況についてお話します。
7月の有効求人倍率は1.11倍
求職者1人に対して企業から何人の求人があるかを示す「有効求人倍率」は、7月31日時点で1.11倍となり、ここ数年間のなかで最も低い割合となっています(厚労省統計データ)。
6月には緊急事態宣言が全国で解除され、経済活動が徐々に再開されましたが、
企業からの新規求人倍率は6ヵ月連続で前年度の同月より減っています。
とくに失業率が高い業界は、「宿泊業、飲食サービス業」「卸売業、小売業」「生活関連サービス,娯楽」と報告されていますが(日本経済新聞2020年6月30日)、コロナウィルスによる自粛生活を受けて、旅行や外食、アクティビティといった楽しみにお金をかける機会が大きく減りました。
大元の企業や店舗の事業が落ち込むと、その下請け会社である卸売業や小売業などの業界にも影響が及びます。
その結果、大きな打撃を受けた各業種では、パートやアルバイトの雇用停止だけでなく、正社員の解雇や会社自体の倒産という道を選ぶしかない現状が増え続けています。
新聞やネットニュースにおいて大きな見出しで取り扱われる企業には、多くの下請けが存在します。今回の影響が今後タイムラグを生じ、他にも出て来る可能性は高いでしょう。
有効求人倍率が高い業種とは?
急速に厳しくなった就職・転職時代の今、どういった業界が積極的に採用を行なっているのでしょうか?
dodaエージェントサービスの転職求人倍率レポート(2020年8月20日発表)によると、求人倍率は前月比・前年同月比ともに8業種のうち、「金融」のみで増加しました。
「金融」では、生命保険や損害保険関連の企業でこれまで通りの採用活動が盛んに行われているようで、また、窓口を減らすなど人員削減している印象の銀行においては、IT化や効率化へ移行するためにWEBやIT技術のスキル・経験がある人材を中途採用する動きも活発なようです。(https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)。
リクルートキャリア(2020年6月8日発表)の報告では、コロナウィルス禍の転職市場動向について、「IT業界」「コンサルティング」「自動車」など14業界に分類してまとめています。
(https://www.recruitcareer.co.jp/news/information/2020/200608-01/)
中でも採用活動が活発なのは、次の4業界になります。
・IT業界…WEB面接も積極的に導入
・コンサルティング…中途採用や専門性の高い人材
・医療・医薬・バイオ…工場系、またデジタル分野など
・銀行と証券…RM、デジタル、リスク対応など幅広い求人活動
「人材・教育」においては、教育分野はオンライン技術に注力し、義務教育な公的教育のIT化も新たなビジネスチャンスとして盛んになっています。 「外食・店舗型サービス」では、コロナウィルスによる打撃は大きいものの、オンラインサービスやスーパーなどは好調に推移している企業もあるそうです。
コロナ禍の求人状況まとめ
コロナウィルスによる経済的打撃は、観光・レジャーなどを中心として、あらゆる業種に影響を及ぼしています。
一方で、これまで言葉だけが先行し、中々実行に移せずいた「新しい働き方」が普及する機会にもなりました。これを機に転職したり起業したりと組織に捉われない生き方が選択肢の一つとして出てくる世の中になるかもしれません。
いずれにしても、ご自身のキャリアやスキルを見つめ直し、各業種の未来を予測していく必要があります。そして、リスクとベネフィットのバランスをしっかりと検討したうえで、新しい働き口を探していくことが重要ではないでしょうか。