働き方改革とは?
世間で「働き方改革」という言葉を人々が盛んに口にし始めてからはや1年がたちました。
しかし現実はどうでしょう?
「働き方改革とはなにか?」という大きな質問をされた時、正確な答えに困る方もまだまだ多いのではないでしょうか?
働き方改革について政府が言ってることを簡単にまとめると、「働き方改革とは、一億総活躍社会実現に向けた改革。」となっていますが、何だか分かるような分からないような、益々難しくなってしまったので、個人的にざっくりまとめてしまうと、
「今後は高齢化が益々加速して労働力も減っていくので、これまでの働き方を変えていかないと日本本当に不味いですよ」
ということです。そしてこの流れを変えるためには、労働力を上げること(生産性向上、出生率の向上、働き手を増やす)が重要になるので、「働き方改革」の手段として、以下の3つの柱を実現しましょうということに繋がっていきます。
①長時間労働の是正
②正規・非正規の格差解消(同一労働同一賃金)
③多様な働き方実現(テレワークの推進とか)
これらの関連法が施行されたのが2019年4月になりますので、昨年くらいから「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになったわけです。
母集団見直しの必要性
長時間労働の是正がと効率化が推進される昨今ですが、その前に労働力自体が足りていないケースも多くあるのではないでしょうか?
そんな時にいつも思うのが、中途採用における年齢の壁です。
採用の仕事を長くやっていて変わらず不安に思っているのが、採用の対象になるコア層が10年前と全く変わっていないこと。
恐らく欲しい人材を聞いた時、20代後半~30代前半の経験者(未経験者)という基本属性を口にする担当者の方は多いはずで、日本の人口構造上高齢化が進んでいるのですが、採用したいという年齢層は殆ど変わりません。
多少は幅も出てきているのかもしれませんが、他のBtoCサービスが購買や視聴ターゲットを見直すのに比べて、採用はここに拘っている印象を受けます。
その年齢である必要性
「長期勤続によるキャリア形成のため若年者等を採用」よく見かける言葉です。
当初の予定よりも年齢が若干オーバーしている場合、少し考え方を変えてみるのは如何でしょうか?
例えば現在募集している年齢層で採用した場合、40歳の段階まで退職せずに今回の応募者以上に成長させることが出来るのか?自社内で他にはいない経験や知識を活かす場所が別部署でないのか?
35歳じゃだめなのか?40歳じゃだめなのか?改めて考えてみて下さい。
年配者への対応がメインになるであろう、冠婚葬祭関連の仕事などは、経験上共感指数の低い若者よりも共感指数の高い方の方が、かえって向いている可能性もあります。
維持ではなく伸ばすことが働き方改革
一昔前でいう高齢者(定年者)に対して現在の日本では、雇用延長や、再雇用、定年廃止などを用いて対応していますが、これはこれまであった労働力を少し落としてでも維持させる施策であり、新たな労働力を生み出すものではありません。
定年後、ゼロから仕事を探すことはまだまだ難しいです。
60歳はまだまだ元気です。年齢が上なので扱いにくい接しにくいと言うよりも、仕事に適応できるかの観点で見て欲しいと思います。
まだまだ新卒入社から終身雇用、ある程度の年齢で部下を持ち、役職に就くという年功序列の命令系統の日本。
マネジメント能力と評価されているものは、社外においても汎用性が効くものなのか?それとも自社内での調整能力なのか?
意識の中にある年齢の壁を徐々に取り除くことをしていかないと、この国の労働力はゆるやかに衰退していってしまいます。
私も日々反省と意識しながら採用に携わっています。