採用活動に生きる経験
「どういった経験(スキル)を持っている人を採用した方が良いか?」
「どこの部署から異動させて来るのが良いか?」
採用チームに加わって仕事をするケースも多いので、新たに採用担当者を採用する時や、人事異動で採用部署に新しいメンバーを迎える際、このような質問をされることがあります。
我々が思う「採用の仕事を行う上であったら良い」と思うのは「営業での経験」や「接客業での経験」です。
ポジションにもよりますが、多少の採用経験があるよりも「営業や接客経験がある採用未経験者」を優先的に考えた方が上手くいくように思えます。
今回は、採用活動で使えるスキルについて考えてみたいと思います。
営業経験との親和性
まずは、営業経験の親和性の話からさせて頂きます。
採用活動は、自社という商品の良さを様々な側面から分析し、伝える相手によって言葉や方法、事例を変えながら訴求して信頼関係を築き、入社に繋げていく活動です。
そしてその結果や進捗は、数字で管理されていきます。
始めてお会いする求職者に対して、幾つかある自社の強みを一度にすべて伝えることは不可能ですので、無理やり全てを押し付けるのではなく、理解度を確認しながら情報を徐々に伝えたり、相手の興味度によって伝える内容やキーワードを変えてみたりと、工夫をしているはずです。
こうして改めて並べてみると、クライアントのニーズをヒヤリングして、問題に対して的確な提案をしていく、という営業活動の流れと同じになり、 まさに採用活動とは営業活動そのものに思えてきます。
接客経験との親和性
続いて接客経験との親和性です。
接客同様採用活動においても、常に”気づき”や”心配り”を持ってお客様(応募者)に接することは重要です。応募者による採用担当者への評価は、そのまま会社の評判になるからです。
わかりにくい会場は事前にしっかり案内出来ているか? 求職者が欲しがっている会社情報はこれでいいか?案内する説明会の会場はここが一番良いか?
渡したレターは見やすい文章になっていたか?連絡するタイミングは何時頃が一番迷惑でない時間帯か?
雨の日は傘、寒い日はコート、荷物を置く場所はあるか?面接会場は掃除しているか?室温はちょうど良いか? ひざ掛けの用意もあると良いかもしれません。
些細な事であっても、ライバル会社が行っていた場合には意外に比べられていることもあります。
接客業で身に付けた「気付き」や「気配り」は、採用活動でも同じように力を発揮するはずです。
関係者へのブランディング
採用担当者は、応募者だけでなく、採用活動で関わる人々への態度も非常に重要になってきます。
「採用をしてあげている」という求職者に対して姿勢や、時には業者に対しての態度を見られていることもあります。
大きな採用の場合、採用担当者は様々なベンダーとのやり取りをするケースが多々あると思いますが、「使ってやってる」「クライアントと業者」という言動がある(感じさせる)担当者は、パートナー企業間において悪い意味で相乗効果を起こしている可能性もあり、当然企業間での評価は下がります。
逆に非常に丁寧な対応や、チームとして活動しているという姿勢を見せる担当者は評判も良く、自主的に力を貸すパートナー企業も多い印象を受けます。
採用活動は企業のアウターブランディングの業務になるので、内勤的な人事経験よりも、外部に対しての仕事を行っていた経験の方が、案外活かせるシーンが多く、向いているように思えます。
「採用活動は営業活動」「採用はおもてなし」これは、我々も常に心掛けているようにしています。