限られたリソースを有効に使う
採用活動全体の目標として、多くの場合は「採用人数」を目標にされていると思います。そしてその数字から各段階(応募数、選考参加数・内定数・承諾数など)での目標を割り出していることでしょう。
もちろんこう言った指標は非常に重要な事ですが、時として数を集めること、その象徴である「エントリー人数」に強く意識がいきがちになり、結果として勿体無い力の使い方や、他の数字を下げる要因になってしまっているケースがあります。
例えば採用対象になっている母集団の数から検証した場合、これ以上エントリー数を上げることが難しいにも関わらず、更にエントリーを募る動きをメインで取ろうと、そちらにマンパワーを割いたり、媒体を増やしたり、広報量を増やしたりする動きなどです。
採用活動において「いかに応募者を集めるか?」という母集団形成は、非常に重要なファクターになりますが、 限られたマンパワーで採用活動を行っている採用担当者の方にとって、母集団形成の段階で「自社に興味を持っている学生や応募者を集める」ことが出来れば、無駄な選考の時間が減り、結果として採用担当者の負担も軽減することに繋がらないでしょうか?
採用チーム全体のマンパワーに余裕が生まれれば、選考や内定者フォローなど別のシーンを強化することが出来、誘導率や内定承諾率の向上が見込めます。
そのために行って頂きたいのが、「エントリーマネジメント」です。
エントリーマネジメントを行う
「自社に興味を持っている学生や応募者」を集めると言っても、大きな母集団形成の方法として、リクナビやマイナビなどの就職媒体への掲載や、ナビ会社が実施しているイベントへの参加はまだまだ主流ですので、いきなり別の方法を取ったり、違う手法に切り替えることは難しいはずです。
そんな時は、発信情報において、「エントリーの段階で、応募者を振り分ける動き」エントリーマネジメントをしてみては如何でしょうか?
分かりやすい例としては、学科別採用などです。対象者が絞られている採用であれば事前に告知しておくことで、文系の学生からのエントリーは殆どなくなるはずです。
文理不問の場合でも、広告の出し方、コピーや写真の変化だけでもエントリーマネジメントは可能です。
女性を採用したい、男性を採用したい、もしくは注力して採用したいケースなどは、載せる写真やコピー、先輩情報などに強弱をつけたり、掲載場所(マイナビやリクナビなど)毎に変化をつける方法や、大学ごとの校風に合わせてコピーを変えたり、それまでの傾向に合わせて打ちだすコンテンツを変えたりなど様々です。
また、内容やコンテンツを変えなくても、打ち出し方のトーンや強弱を変えるだけでも、新卒採用では年度によって応募してくる学生や入社してくる学生の質が変わってきます。
どういった人が活躍をしているのか?どんな雰囲気の人が会社にあっているか?はっきりと求人情報に載せることにより、応募者本人に「自分にこの企業は合う、合わない」という自己判断をしてもらういましょう。
自己選抜をさせることによって、エントリー段階でマッチング率を向上させ、辞退率・離職率を下げることにもつながっていきます。
中途採用においては、職種や能力が限定されるので、訴求したい部分が明確にしやすく、IT関連ならIT系専門の求人サイトや、地元採用をしたい企業なら地元求人サイトなど、媒体選定も簡単に出来るエントリーマネジメントの一つです。
エントリーマネジメントは続く
エントリーマネジメントは媒体掲載だけでなく、説明会や選考においての情報発信でも共通して行えることです。
エントリーマネジメントをした際、そこに気付く応募者は感度が比較的高く、気付かすそのままエントリーして選考に進む応募者は、感度が低く気づきのない応募者という判断材料にもしています。
しかし、こちら側がエントリーマネジメントを行っていることを分かっていたとしても、どうしてもやりたいことがあるという応募者や学生だった場合、私であればぜひ一度お会いしてみたいと思い、無駄な時間だとは感じません。
今回は母集団形成の方法よりも、母集団形成時にやることという内容になりましたが、ご参考にして頂ければ幸いです。