大学訪問の目的
当社が行っている新卒採用における施策の1つとして、大学訪問があります。
「大学訪問」と聞くと、昔は当たり前のように行われていたことであり、今更新しさを感じない採用担当者の方もいらっしゃる一方で、ここ最近始めたばかりという企業様もいらっしゃるかと思います。
求人情報を携えてキャリアセンターを訪問したり、OBやOGが在籍していた研究室の教授や後輩達を訪問し、そこで業界説明会(会社説明会)等を行う。
恐らくこの動きが、多くの企業様が行っている大学訪問での動きになるかと思いますが、最近では大学訪問をする企業数も増えてきており、単なる求人票の提出や、年1回程度のリクルーター活動だけでは、差別化をしてもらうことが非常に困難になってきています。
そのため、多くの採用担当者の方が目的としている「学内合説に参加させてもらうこと」や「学生を紹介してもらうこと」などは、すぐに結果を出すことが難しいのが現実です。
なかなか進展しない状況に歯がゆい方もいらっしゃるかと思いますが、折角大学に足を運んでいるのですから、この2つの目的に固執するだけでなく、大学訪問の目的を少し広く捉えてみてはいかがでしょうか?
大学訪問の目的を広げて
学内での信用度や認知度UP
多くの企業から訪問を受けている大学(キャリアセンターや教授)にとってみれば、「始めて名前を聞く企業」が殆んどになりますので、求人票や説明会情報の受理は行ってくれますが、訪問当初の御社は、あくまで「新卒採用を行っている多くの企業の中の一つ」という存在です。
まずは定期的な訪問や告知を行うことで、認知度を上げることは勿論ですが、大学営業という観点を持って様々なアプローチを考え、学内で何か困っていることや協力出来ることがないかを探して力を貸すことで、信頼度や認知度を上げていきましょう。
キャリアセンターや教授との信頼関係が構築出来れば、頂ける学内の情報の質が変化したり、学内イベントの開催や独自カリキュラムへの参加が出来る可能性も出てきます。
学生との接触機会の創出
「学生との接触」といっても、こちらは個別会社説明会のように「会社」や「採用」を強く押し出しての接触ではありません。
学内で行われるセミナーや勉強会(就職ナビの会社が実施しているようなセミナー)など、自社の採用を全面に出さないフラットなイベントで、学生達と直接接点を持つということです。 学内での信頼関係が出来てくると、そういった機会を持てる可能性が出てきます。
その時間を通して企業名を認知してもらったり、参加学生の周りで自社と接点のある学生がいれば、プラスで情報を展開してくれる可能性もあります。
また学内に内定者がいれば、イベント告知を依頼したり、そのやり取りを通すことで、信頼関係の強化に繋がるかもしれません。
学内情報の取得
実際に学内で複数の人に話を聞くことで、学部・学科毎の就職に対する考え方や姿勢が見えてきますので、その後のアプローチにも生かすことが出来ます。
また、季節や地域によって訪問時に感じたことや、起こった他愛もない話が、大学ごとの臨場感あるエピソードとして学生とのコミュニケーションに使える時もあります。
キャンパスが広く移動が大変だったこと、キャンパスが雪で覆われキャリーが埋もれ動かなくなったこと、学食のメニューが特徴的だったこと、校舎が驚くほど綺麗だったことなど。。。
また、各大学と都市の位置関係や移動時間の感覚などは、現地や近場で説明会や選考を実施する時の会場選びの参考になります。
大学や学生との直接的な接点とは異なりますが、これらも副産物としての情報になります。
まとめ
以上3つほどご紹介させて頂きましたが、時として採用を前面に出して大学訪問するよりも、フラットに活動した方がむしろ関係性を築けることもあります。
もちろん、これまで同様学内合説への参画や、キャリアセンターや研究室からの学生紹介は念頭に入れつつの行動になりますが。
以前も書いたかもしれませんが、大学訪問を戦略的に行い継続していくことは、新卒採用において「就活サイトだけに依存しない」「年度に縛られない」採用手法としての側面があります。
就職サイトでは前年度の学生情報はリセットされてしまいますが、新卒採用において行った大学訪問に関する様々な情報は、継続した年数や回数分だけ社内に蓄積され、研究室とのリレーションにおいても年度で変更や終了はありません。
通年採用も多くなるであろう今後、様々な周知活動や採用の持久力が求められます。大学訪問もその一環として実施してみてはいかがでしょうか?